日本で線路の幅が9ミリのNゲージ模型が流行した理由とジオラマ作りの注意点

テクニック

日本において鉄道模型はNゲージサイズの製品を指すのが一般的です。
Nゲージは英語で9を意味するNINEの頭文字から来ている名称であり、これは模型の線路の幅が9ミリであることに由来します。

鉄道模型の発祥の地であるイギリスをはじめ、世界的には約72分の1の縮尺であるHOゲージが主流ですが、日本は例外的にNゲージが普及している国でもあります。これは日本の住宅事情が大きな理由であり、HOゲージは大きすぎて置き場所が無いためです。

Nゲージの縮尺は約144分の1であり、単純に比較するとHOゲージの半分の大きさになります。ジオラマを作ってもHOゲージよりは置き場所には困らないため、日本で広く普及するに至ったのです。

また、Nゲージは小さすぎないことも普及の一因です。Nゲージよりさらに小さいサイズであるZゲージがありますが、約220分の1の縮尺は塗装や改造などの加工が難しいのが欠点です。そのため、場所を取らず、素人作業による加工も容易なNゲージの鉄道模型が日本で受け入れられたのです。Nゲージサイズのジオラマを作る場合、HOゲージよりは場所を取らないとはいえ広さを決める際には十分に注意しなければいけません。
模型車両を脱線させず、安定した状態で走らせるには線路のカーブ半径に余裕を持たせる必要があります。ジオラマの面積もそれだけ広くなることを想定し、分割して収納できるようにするなどの工夫が不可欠です。
ジオラマ作りは鉄道模型を存分に楽しむ方法のひとつではありますが、自身の暮らしに支障をきたさない工夫も併せて必要になるのです。